スタートアップとのオープンイノベーション加速へ!GXサロンを初開催

2024.06.28

2024年6月6日、GXリーグ初の試みとなる「GXサロン」を開催しました。GXリーグではこれまで、参画企業間の交流イベントとして「GXスタジオ」を開催してきましたが、GXサロンは2024年度から新たに参画した企業のみなさまも交え、より直接的な対話や意見交換を行えるよう企画したものです。会場には約60社の代表者が集まり、交流を深めました。


省庁によるプレゼンテーション

第1回GXサロンのテーマは「オープンイノベーション」。イベント前半には、省庁プレゼンテーションとして、経済産業省産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課の長谷川寛晃氏より、政府の支援や政策検討状況について情報共有がありました。

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オープンイノベーションが必要とされる要因として、日本企業は企業年齢が高いほど総資産利益率(ROA)が低下し、新規分野開拓や事業転換が進んでいないという課題が指摘されています。既存企業が収益性の高い事業を生み出す「知の深化」には、スタートアップなどが持つ革新的な技術やビジネスモデルとの協業が有効です。日本では欧米に比べスタートアップとの連携実施率が圧倒的に低いことから、政府では、事業会社の協業を促すため、財政的な負担の軽減、手続き負担の緩和、連携相手の経営資源の向上といった3つの観点で、さまざまな支援策を講じています。

登壇した長谷川氏は、具体策として、研究開発税制オープンイノベーション型(対スタートアップ)をはじめとする各種税制やオープンイノベーション促進のための指針やモデル契約書、CIP(技術研究組合)制度、NEDOの実施するJOIC(Japan Open Innovation Council)の取組などを紹介。また、研究開発成果の事業化を目指すスタートアップの事業化支援ではあるものの、過去の調査で事業会社とスタートアップの連携が上手くいかなかった主たる要因の一つとして、「スタートアップの有する技術力やビジネスモデルの優位性が弱かった」ことが挙げられていることを踏まえ、ディープテック・スタートアップ支援事業などを紹介。こうした事業を通じて、連携先または連携候補先のスタートアップが技術力や事業の優位性を高めることができることに加えて、事業会社側のニーズ・需要が具体的に示されているものや事業会社から設備等を提供するなどの伴走体制があるものは審査において評価される仕組みもあることから、「自社の課題解決や新事業創出に向けた一つのツールとしてとらえ、スタートアップと連携して上手くこれらの制度を活用していただきたい」と述べました。
 最後に、事業会社にとっては革新的な事業を生み出す方法として、スタートアップにとっては事業拡大のきっかけとして、双方が長期的な事業化の目標を共有しつつオープンイノベーションを深めることの重要性を指摘しつつ、「GX分野を含めて、スタートアップとの連携深化を図りつつ、事業創出を促していきたい」と話しました。


参加者同士の交流

イベント後半では、経済産業省やNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のメンバーも加わり、交流会を実施しました。会場内で「GX関連」、「スタートアップとの連携」、「スタートアップに限らない他社との共同研究」、「テーマを問わない自由交流」の4つのエリアに分かれ、参加者のみなさんがそれぞれ関心のあるエリアに移動して対話・情報交換を行いました。官民、業種の垣根を越えて率直に意見を交わせる機会とあって、参加者のみなさまは積極的に多くの方と交流を深めていました。

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約90分のプログラムが終了し、閉会の挨拶に立った経済産業省産業技術環境局 環境経済室の竹下氏は、参加への謝意を伝えるとともに、「内外で日々GXリーグへの関心が高まっているのを感じる。より意義深い活動にしていくので、引き続き積極的にご参加を」と呼びかけました。

GXリーグでは、今年度もより多くのみなさまにお役立ていただけるよう、さまざまなイベントを企画してまいります。次回のGXサロンは大阪での開催を予定しています。