できません。超過削減枠の無効化はGX-ETS第1フェーズに向けた報告に限られます。昨年12月にとりまとめられた内閣官房「GX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループ」における2026年度から本格稼働予定の排出量取引制度(第2フェーズ)に関する議論を踏まえて、下記事項を総合的に考慮した結果、超過削減枠はGX-ETS第1フェーズの目標達成のみを目的とした利用に限られる(本格稼働後の償却義務に用いることはできない)こととなりました。
- GX-ETS第1フェーズは自主参加型の枠組みであり、排出量取引制度を試行的に開始したものである一方、現在検討中の第2フェーズは一定規模以上の排出事業者を参加義務化した上で、また割当も事前割当方式を採用する等、排出量取引制度を法定化し本格稼働させるものである。この点で第2フェーズ以降はその枠組や基本的考え方が第1フェーズとは異なる性質を有する制度となることが想定される。
- また、第2フェーズにおける政府指針に基づく排出枠の割当はベンチマークやグランドファザリングを基礎として第1フェーズ期間中を含む第2フェーズ開始前の削減努力も一定の範囲で評価される仕組みとなる見込みである。