インフロニア・ホールディングス株式会社

1.策定されている環境関連・削減目標について教えてください

 インフロニアグループは、「総合インフラサービス企業」として、世界中に最適なインフラサービスを行き届かせ、当社に関わる全てのステークホルダーと地球のサステナビリティ実現を目指します。
当社グループは「2050年カーボンニュートラル」に向け、2030年にGHG排出量を2018年度比40%削減する目標を掲げています。

2021年公表の目標
2021年公表の目標

 また、世界の平均気温上昇を今世紀末までに産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑えることを目指すパリ協定の目標と整合したGHG排出量の削減目標をさらに野心的なものとするため、SBT(Science Based Targets)の申請手続きを進め、2024年12月に認定を取得いたしました。

パリ協定と整合した新たな目標
パリ協定と整合した新たな目標

2.自社の環境関連・削減目標の達成に向けた取組について
教えてください

 当社グループの2023年度の実績は、ecole(エコール)※1 導入推進や再生可能エネルギー積極活用(非化石証書含む)等の取り組みにより、約284万t-CO2※2 (前年度より19万t-CO2減少)となりました。また、目標に対しては、2018年度比 スコープ1+2 21.2%削減、スコープ3(カテゴリー1+11) 45.5%削減となりました。

 当社グループの前田道路では、スコープ2削減の取り組みとして、2024年4月より全拠点でRE100に対応したCO2フリー電力を導入しました。
 また、アスファルト舗装工事におけるCO2排出量の約8割は、アスファルト混合物の製造段階で使用している燃料に起因しているため、スコープ1削減の取り組みとして、運営子会社 日本バイオフューエル株式会社(Japan BioFuel)を設立、2023年度よりバイオ重油の製造を開始しています。バイオ重油とは、動植物性油脂を原料とする重油の代替燃料です。現在、このバイオ重油は前田道路の合材工場でA重油と混合させることで、CO2排出量削減につなげています。
そのほか効率よく製造するために、高効率バーナーの利用、インバーター制御による電気量削減機器の使用など、機械設備の改善を行っています。

※1 ecole(エコール):機械式フォームド技術を利用した低炭素(中温化)アスファルト混合物
※2 スコープ1、スコープ2、スコープ3(カテゴリー1+11)の合計値

3.自社のサプライチェーン、ひいては社会全体のCN達成に対する取組について教えてください

 当社は、スコープ3のカテゴリー1(購入した製品・サービス)およびカテゴリー11(自社施工建物及び製品の使用に伴う排出)について、2030年に40%削減(2018年度比)する目標を掲げています。
サプライチェーン全体での脱炭素対応するために、サプライチェーンとの協業による低炭素資材調達、サプライチェーン拡大・多様化によるリスク分散、BCPの推進、輸送車のEV化やモーダルシフトによる使用燃料の削減、自社施設・現場のサプライヤー施設における定期的なリスク抽出・低減活動の推進を行っています。

 具体的な取り組み内容として、当社グループの前田道路では、従来よりも低い温度(中温化)でアスファルト混合物の製造を可能にする独自のフォームドアスファルト技術などを活用し、製造時のCO2排出量を低減させた「低炭素合材」を販売しています。
 また、「低炭素合材」がどれだけの環境価値を生み出すものかを“見える化”し、サプライチェーン全体で低炭素な舗装の実現に向かうべく、CO2削減量を明記した「アクションレポート」を発行しています。
 上記のほか、アスファルトの下層に位置する路盤材の製造についても自然エネルギー由来の電力活用を開始し、製造時のCO2排出量を低減させた「低炭素路盤材」を販売しています。これにより、舗装全体での低炭素化が可能となりました。
路盤材の原料となるアスファルト塊やコンクリート塊は各建設事業者の「廃棄物」となりますが、その廃棄物を前田道路の破砕工場にて処理・再生する際のCO2排出量を削減することで、廃棄物排出事業者のスコープ3にも貢献しています。
 また、前田建設では、「MAEDAグリーン調達ガイドライン」を外部公開し取引先と共有しています。本ガイドラインは、事業活動の全ての段階で環境との調和と負荷低減に取り組むとともに環境技術やサービスの創出に努め、新しい価値創造に向けて取り組みを推進しています。グリーン調達集計品目はEPD認証製品など30品目選定し、採用を推進することにより、全てのプロセスでのグリー調達活動の推進と浸透を図っています。

4.GXリーグでの活動について教えてください

 当社グループは、気候変動が自社の事業に大きな影響を及ぼすものと認識しています。2050年カーボンニュートラルを目指し、自主的に明確な目標を掲げ、再エネ導入を推進しています。また経済と環境の好循環を創出するため、地域経済に与える付加価値を可視化することで、ステークホルダーエンゲージメントを高度化していくための活動として参加しております。
参画企業様との意見交換により、新たな経済成長の機会としたいと考えています。