富士電機株式会社

1.策定されている環境関連・削減目標について教えてください

 富士電機は、地球環境保護を経営の重要課題と位置付け、2019年に「環境ビジョン2050」を策定し、脱炭素社会の実現に向けた「2030年度目標」を設定しました。2022年には「産業革命前比の気温上昇1.5℃以内」と整合させた温室効果ガス排出量削減目標に改訂し、以下の「2030年度目標」の達成に向けた「脱炭素社会の実現」への取り組みを進めています。

【脱炭素社会の実現に向けた2030年度目標】
産業革命前と比較した気温上昇を1.5℃に抑えるため、以下の目標達成を目指します。
・サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope1+2+3):46%超削減(2019年度比)
・生産時の温室効果ガス排出量(Scope1+2):46%超削減(2019年度比)
・製品による社会のCO2削減貢献量:5,900万トン超/年

2.自社の環境関連・削減目標の達成に向けた取組について
教えてください

 富士電機は、生産時の温室効果ガス排出量(Scope 1,2)の2023年度実績は約338千トンで、2022年にSBTiにより「1.5℃水準」の認証を取得した2030年度目標の達成に向け、計画に沿って進展しています。

【生産時の温室効果ガス排出量】
【生産時の温室効果ガス排出量】

 削減への取り組みとしては、国内18ヵ所、海外2ヵ所の生産拠点を対象に太陽光発電設備の導入を推進しています。2023年度末時点で、年間913万kWhを太陽光にて発電しており、2027年度までに年間3,500万kWhに拡大する計画です。また、全工場で横断的な省エネ活動に取り組み、運用面の改善による省エネや、インフラ設備や生産設備の更新の際に最も省エネ効果の高い設備を選定するなど計画的な活動を進めています。

東京工場
東京工場
フィリピン富士電機社
フィリピン富士電機社

3.自社のサプライチェーン、ひいては社会全体のCN達成に対する取組について教えてください

 自社のサプライチェーン(Scope 3)については、主にカテゴリ1~8、および11の削減に向けた取り組みを進めています。 Scope3の温室効果ガス排出量において大部分を占めるカテゴリ11(製品使用時の排出量)について、半導体分野では電力損失が少ない第7世代IGBTモジュールの売上拡大やシリコンカーバイド(SiC)製品への移行により、製品使用時の温室効果ガス排出量の減少を見込んでいます。

また、「製品による社会のCO2削減貢献量」もカーボンニュートラルの実現に貢献する指標としています。クリーンエネルギーを生み出す機器や電力損失を最大限削減した新製品の売上を拡大していくことで、貢献量を増やしていきます。

製品によるCO2削減貢献量
製品によるCO2削減貢献量

4.GXリーグでの活動について教えてください

 当社が掲げた「環境ビジョン2050」では、2050年までにサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルの実現を目標としており、目標達成を確実とするための諸施策を加速・拡大させるためにGXリーグに参画しました。他社の皆様との交流を通じて、CO2削減のための良好事例を積極的に取り入れていくことを期待しています。
 また、今後加速させていかなければならないカーボンフットプリントについて、算定方法や情報開示のありかたについても、他社の皆様と意見交換を行っていきたいと考えています。
 GXリーグの取組みの中で、参加企業の皆様と協調しながらカーボンニュートラルの実現に向けて貢献していくとともに、取組みに対する社内の意識を高めることを図っていきます。