デロイトトーマツコンサルティング合同会社
1.策定されている環境関連・削減目標について教えてください
デロイト トーマツ グループは、気候変動の課題に対してデロイトのネットワーク共通のWorldClimateイニチアチブのもとで“Net-zero with 2030 goals”を掲げ、業務から発生する温室効果ガス(GHG)排出量について、2030年までの削減目標を下記のように定めています。この目標は、SBTi(Science Based Targets initiative)によって 「1.5℃目標」との整合性が検証されたものです。
私たちの短期的な目標は次のとおりです。
- スコープ1および2のGHG排出量を、2019年を基準として2030年までに70%削減する
- 出張によるScope3 のGHG排出量を、2019年を基準として2030年までにFTEあたり50%削減する
- 2025年までに主要サプライヤーの67%(排出量ベース)が科学的根拠に基づく目標の設定に向けて協働する
- 排除できない排出量について、有意義な市場解決策に投資する
排出量を削減するための2030年の追加目標には、以下のものがあります。
- 当グループが利用する建物で使用するエネルギーは100%再生可能エネルギーとする
- 保有する車両を100%プラグインハイブリッド自動車と電気自動車に切り替える
2.自社の環境関連・削減目標の達成に向けた取組について
教えてください
◼ Just Transition(環境に関するビジネスの取り組み)
デロイト トーマツ グループの気候変動に関連するサービスは多岐にわたり、あらゆる局面でクライアントを支援することで、気候変動の社会課題解決の加速化に貢献しています。具体的にはリスク・機会分析を含めた「戦略」領域、サプライチェーン管理や脱炭素 ソリューション等の「トランスフォーメーション」領域、ガバナンスや非財務情報開示等の「経営管理・開示」領域、の3領域で幅広いサービスを備えています。FY23からは、より持続可能な未来の道筋へとクライアントを導くために、グローバルの取り組みと足並みをそろえたグループの横断組織としてSCI(Sustainability & Climate Initiative)を立ち上げました。SCIは、デロイトがグローバルで最重要アジェンダの一つに位置付けるSustainability & Climateについて日本を含めた各国が連携するイニシアチブであり、国・地域を超えたネットワークが形成されています。SCIは①グローバル(=国・ 地域横断)、②ビジネスファンクション(=事業の垣根を越えた総合力)、③プロ フェッショナル(=高度な専門性の組み合わせ)の3つの観点でのハブ機能を担っており、国・地域、事業、専門性の最適統合を通じて、構想・戦略から実装・実行までを 一気通貫したEnd to Endでのサービス提供を実現しています。また、FY24にはSCIに、戦略的機能として研究所を設ける準備を進めており、ブルーエコノミーをはじめとする先進アジェンダに関する研究・議論喚起と発信を本格化させていきます。
◼ 気候変動対応イニシアチブ WorldClimate
パリ協定の目標達成に向け、デロイト トーマツ グループのDeloitte Globalは組織内外において責任ある気候変動対策の選択を促す戦略「WorldClimate」を始めました。
デロイト トーマツ コンサルティングはWorldClimateの活動に協働し、グローバルの取組に参画しています。
- 各地域で気候変動に関する責任者としてシニアリーダーを任命する
- エグゼクティブの議題として、気候変動に関して優先的に議論する
- 業務上の意思決定に気候変動への配慮を取り入れる
- 透明性と説明責任のために、年間排出量を継続的に外部に報告する
◼ オフィスにおけるエネルギーの使用
デロイト トーマツ グループは総オフィス面積の約6割のスペースが再生可能エネルギー由来の電力で稼働しています。FY23は、オフィスで使用する電力の総量を100%再生可能エネルギーにする目的で、再エネ電力由来のクレジットの購入を行い、 GHG排出量を削減しました。また、使用したガスに由来する排出に関して、相当するクレジットを購入し、オフセットしました。
◼ 出張由来のGHG排出
デロイト トーマツ グループの事業活動におけるGHG排出量は出張由来のものが多くを占め、FY19実績で全体の59%を占めました。FY24では出張回数や同行人数の適正化等をルール化したグループ共通のSustainable Travel Policyの適用を推進しました。また、出張以外のスコープ3のカテゴリーについても影響の大きさに鑑みながら、GHG排出量の開示を計測の精度を高めつつ実施していきます。FY23については、購入した製品・サービスに由来するGHG排出量を参考値として開示しました。
◼ 個々人のエンパワーメント
デロイト トーマツ グループに属する全てのプロフェッショナル に対して、気候変動に関する組織内での意識・行動変容を推進することで、クライアントを含む組織外の幅広い ステークホルダーにも責任ある選択を促せるよう、個々人 のエンパワーメントにも注力しています。地球環境について考える世界的なキャンペーンである4月のEarth Monthに は、河川清掃やごみ拾い、リサイクル品の回収といった 環境保全のためのボランティア活動等への参画拡大に 取り組んでおり、メンバー一人ひとりの参画意識向上への働きかけを行っています。
3.GXリーグでの活動について教えてください
GHG排出量取引制度(GX-ETS)へ対応することで排出量取引制度に対応し、WGや活動を通して市場ルール形成への関与や、ビジネス機会の協創を図ることを目的としています。
参画されている企業との連携強化を図り、経済産業省における脱炭素に向けた制度構築への参画を行うことにより、当社だけでは実現できない排出削減に資する製品・サービスの普及、投資家からの評価向上等を実現し、社会全体が脱炭素化しながら成長していく好循環に寄与したいと考えております。