ダイキン工業株式会社

1.策定されている環境関連・削減目標について教えてください

 ダイキンは、2050年にバリューチェーンを通じた温室効果ガス排出実質ゼロをめざしています。中期目標として、2019年を基準年とするBAU※1 比で実質排出量※2 を2025年に30%以上、2030年に50%以上削減することをめざしています。
 そのうち、開発・生産工程やオフィスから排出する温室効果ガス(Scope1,2)については、総排出量に占める割合は0.3%(2023年度実績)と少ないものの自社でコントロールできるため、排出ゼロに向けた目標を定めています。開発・生産工程では、化学プラントを除く全工場で2030年に温室効果ガス排出実質ゼロ、オフィスでは2030年にグローバル全拠点で温室効果ガス排出実質ゼロを目指しています。

※1 Business As Usual: 未対策の場合の成り行きの排出量。
※2 温室効果ガス排出量から排出削減貢献量を引いたものと定義。

2.自社の環境関連・削減目標の達成に向けた取組について
教えてください

 温室効果ガス排出削減目標を達成するために、削減目標を中期経営戦略「FUSION」に織り込み、<排出量の削減>と<削減貢献量の増加>の2軸で諸施策を実行しています。

●モノづくり(開発・生産時)、オフィス等での取り組み
 <排出量の削減>開発・生産工程でのエネルギー起源、HFC/PFC起源の排出削減
●製品使用時における消費電力削減
 <排出量の削減>インバータ化の推進、要素技術による機器省エネ性の向上
 <削減貢献量の増加>他社機器の非インバータからインバータへの置き換え
●ヒートポンプ暖房・給湯の普及促進
 <排出量の削減>燃焼暖房・給湯の代替、高効率化
 <削減貢献量の増加>ヒートポンプ暖房・給湯の拡販(他社機器の置き換え)
●冷媒の環境負荷低減
 <排出量の削減>R32化推進、次世代冷媒開発、低GWP冷媒の選定・機器開発
 <削減貢献量の増加>他社機器のR410AからR32への置き換え、冷媒エコサイクルの推進(冷媒回収・再生)

ライフサイクル全体での温室効果ガス実質排出量の削減目標と実績
ライフサイクル全体での温室効果ガス実質排出量の削減目標と実績

3.自社のサプライチェーン、ひいては社会全体のCN達成に対する取組について教えてください

 ダイキンにおける温室効果ガス排出量のうち、市場での当社製品使用時および当社製品廃棄時における排出量(サプライチェーン下流における排出量)の割合が98%で大半を占めているため,これらの削減に力を入れています。

<使用時排出量削減の重要施策>ヒートポンプ化,インバータ化,冷媒の低GWP化
<廃棄時排出量削減の重要施策>冷媒エコサイクルの構築

ダイキンにおける温室効果ガス排出(Scope1,2,3)の全体像(2023年度)
ダイキンにおける温室効果ガス排出(Scope1,2,3)の全体像(2023年度)

4.GXリーグでの活動について教えてください

 GXリーグの設立目的(カーボンニュートラルに向けた社会構造変革のための価値提供を目指す)に賛同し参加しています。またGXリーグでの活動を通じて、カーボンニュートラルに取り組む先進企業と意見交換することで学びを得ています。

 GX経営促進ワーキング・グループにリーダー企業として参画しています。GX経営促進ワーキング・グループでは、2023年3月に「気候関連の機会における開示・評価の基本指針」を、2024年5月に「削減貢献量 事業会社による推奨開示仮想事例集」を公表しました。