株式会社サステナビリティ会計事務所

1.検証機関の強み・実績

 当社は2006年の設立以降、公認会計士である代表 福島隆史のもと、現在では100社超の企業様に非財務データに対する第三者保証業務を提供しています。代表者は1999年時点での大手監査法人在席時、非財務データ保証の黎明期から審査の実務リーダーとして関与しており、その経験の豊富さ、アドバイス力は業界随一であると自負しています。実務経験に裏打ちされたスキルは当事務所の審査メンバーに伝承され、財務・非財務データを統合的に判断、“要点に特化した審査”を基本とし、“社会と会社のサステナビリティ推進のお役に立つこと”を根底として、「独立第三者の保証報告書」の提供、併せて各企業のサステナビリティ分野における成熟度に適応した観察事項を提供しています。
 審査の全体像が把握できるよう、最初のお打合せにて第三者保証に関する基本的な情報をご案内させていただくとともに、スケジュールやご提出いただきたい基礎データ等をお伝えします。各企業の状況に寄り添って対応、審査スケジュールも集計スケジュールに併走するスタイルをとっておりますので、初めて第三者保証の取得に臨む企業様もお気兼ねなくご相談いただけると幸いです。
 審査の過程では、適宜関係者に対するヒアリングや、重要な拠点への現地往査を実施します。ご要望に応じて第三者審査実施の趣旨や手順等に関する関係者説明等も承りますので、第三者保証に係る社内調整の円滑化にご利用ください。
 上述の当事務所の特徴は既に多くの企業様に認知されていることから、冒頭にも記述しました通り、2023年時点で業界問わずグローバル企業様、100社超の非財務データに対する第三者保証を提供しています。GHG排出量は基本的に全ての企業が保証対象項目に指定しており、併せて環境データではエネルギー消費量・取水量・廃棄物排出量、社会データでは女性管理職比率・男性労働者の育児休業取得率・男女賃金差異ほか、各企業のマテリアリティKPI等を中心に審査を実施しています。

写真

2.排出量についての検証の展望

 ISAE3000(国際保証業務基準3000号「過去財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」)やISAE3410(国際保証業務基準第3410号「温室効果ガス報告に対する保証業務」)等を審査規準として、非財務データに対する第三者保証は、既に世界中で提供されています。ただしこれまでの非財務データに対する第三者保証は、少なくとも日本において、一部のその分野の意識の高い企業だけが付加価値的な取組みとして、自主的に取得していた状態であったように思います。
 2015年の気候変動をテーマとした国際会議において気候危機が一層深刻に認識され、各国がGHG排出量削減の取組みを強化するとともに、財務データが非財務データ(非財務面での取組み)によって受ける影響に対する警鐘が強まりました。
 2020年代には、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)によるサステナビリティ開示基準の策定、EUでのサステナビリティ開示の義務化、日本における有価証券報告書へのサステナビリティ記載欄の新設、並びに2024年中に発行が予定されているISSA5000(国際サステナビリティ保証基準5000 「サステナビリティ保証業務の一般的要求事項」)の登場等、加速度的に世界共通で使用されることが想定される基準や制度が構築され、各国での規制が強化されようとしています。
 今後、財務データに追随または同等のレベルで非財務データの信ぴょう性が求められることが想定され、特に地球環境を左右するGHG排出量に対する第三者保証は、ほぼ全ての企業を対象とした必須要求事項になるものと考えています。現時点で非財務データに対し、合理的保証レベルは求められていません。将来の準備として、適切な内部統制体制の確立運用のためにも、早期に限定的保証レベルの第三者保証を受審されることをお勧めします。

3.合理的保証を受けるために準備すべき事項

 審査の過程で、GHG排出量算定にあたって使用したデータを保管する仕組みを確保してください。様々な業種・社内体制において、1次データを入力するご担当者と全体集計のご担当者が異なるのが通常です。企業体制によっては、例えば各現場において毎月本部に報告する社内システムに月次請求書をもとに都市ガスや電気の使用量を入力すると、請求書自体は、その後で抽出困難な保管状態になってしまっている場合もあります。第三者審査においては、1次データの一部をエビデンスとして提出いただくステップがあります。1次データが確認できないと、最終的に算出されるGHG排出量の正確性の判断が困難になりますので、審査に耐えうる内部統制の構築として、過年度分を含め、まずは1次データに関係者がいつでもアクセスできるような整備をすることが大事です。
 GHG排出量の算定、GXリーグの対象となる直接排出量・間接排出量の算定にあたって、共通する基本的な算定方法があります。そこでポイントとなるのは、1次データの集計時点で、自社の事業内容に照らし合わせて、集計すべきデータが全て集計できているか、といった“網羅性の確認”です。審査の際には、どのように網羅性を確認されたか・どのくらいの網羅性(率)であるかについても確認します。確認方法が十分であるか自信がないといった場合にも、限定的保証を受審開始されてみてはいかがでしょうか。企業がより適切な算定に繋げられるよう、有用な観察事項を提供する審査を心がけています。