カーボンニュートラルに向け、未来を描く議論がスタート

2022.07.05

2022年6月21日(火) GXリーグ2022 未来像策定進行役ミートアップ


4月に発足したGXリーグは、440の賛同企業(2022年6月時点)と共に、カーボンニュートラルと市場創造を目指し官民協働で取り組んでいきます。これから年度内に複数回のワークショップを実施し、ビジネス機会の創発などに向け、さまざまな議論が行われる予定です。

冒頭であいさつする経済産業省の梶川文博 環境経済室長

その議論の進行役に名乗りを挙げた企業の代表者が集まった「未来像策定進行役ミートアップ」が2022年6月21日(火)に開催されました。イベントは、経済産業省と野村総合研究所、博報堂の事務局スタッフを交え、6つの小グループに分かれたワークショップ形式で進められました。さまざまな業種の参加者が対話を通じて現状に対する認識を合わせると同時に、これから始まる活動をデモ体験する場となりました。

GXで実現したい未来、こんな未来はいやだ

ワークショップは、1グループ6、7人が円形のボードを囲み、それぞれの仕事(出身組織・業務)に加えて 「GXを通じてつくりたい未来」 または 「GXの結果、こんな未来になったらいやだ」 というお題に対する考えを述べる自己紹介からスタート。隣の人がメモを取り、オンラインワークショップツールのホワイトボード上に付箋を貼る方式でバトンを回していきます。それぞれのグループで拍手や笑い声が起こるなど、アイスブレイクセッションはなごやかな雰囲気で進みました。

アイスブレイクセッションの様子

ここで挙げられた意見には、「脱炭素と、便利で人とつながる社会を両立したい」「懐かしい未来をつくりたい」など暮らしや自然環境の観点から未来を描くものや、「透明性の高い、みんなが活発に発信できる未来」といった、共創による開かれた社会の実現を願う声が数多くみられました。中には「日本は遅れていると言われるのは嫌だ」「次世代に責められない社会を」など現状への危機感がにじむものもあり、こういった切り口を増やすことが思考の枠を広げ、議論が活発化することを実感するものとなりました。 

未来シナリオから発想を広げるワークショップ

休憩をはさんで、イベント後半では 「未来シナリオから発想するGXビジネスの未来」 をテーマにグループディスカッションが行われました。未来の「ミニ・シナリオ」が書かれたカードを使い、視点を掛け合わせながら議論を深めていきます。

ディスカッションは8つの「ミニ・シナリオ」カードを使って実施

カードに記されているのは、2019年に経済産業省と環境省の若手メンバーが気候変動について議論した内容をもとにした未来のシナリオで、「CO2の削減で人生が豊かになる時代」「炭素恐怖症の蔓延時代」「生活しながら光合成する未来」など全8種類。参加者のみなさんは、8つの未来シナリオからそれぞれが直感的に気になったものを選び、なぜ気になったのかを考えます。そして、社会に与えるインパクトや、どのような商品サービスがあり得るかについて話し合っていきます。

それぞれのシナリオから考えられる社会へのインパクトやアイデアを書き出して共有

円形ボードにカードを貼り付けて回しながら眺めたり、アイデアを書いた付箋を次々にマッピングしたりと、グループごとに工夫を凝らしながらディスカッションは進み、熱意とユーモアにあふれた意見が飛び交いました。

各グループのディスカッション内容を全体で共有

グループディスカッション終了後は、各グループで最も盛り上がったシナリオと、その議論内容を発表・共有しました。「脱炭素と地域資源を結びつけ、地方が活性化する」「ゴミが価値を持つようになり、ゴミの取り合いが始まって廃棄が減る」といったポジティブな予測や、「規制が厳しくなりすぎないよう、CO2を出してもいい特区を設置する」というユニークなアイデアも。さらに、「個人のCO2排出量を計測できるデバイスやエコポイント制度の開発」「炭素恐怖症の蔓延は、メンタルヘルス専門教育やヘルスケア産業の新たなビジネスにもつながる」など、GXが持つビジネスの可能性を感じさせる意見も次々に挙がり、今後本格化する具体的な議論への期待が高まるものとなりました。

さまざまな切り口を掛け合わせ、未来の可能性を描く

業種や役職の垣根を越えて活発に意見が交わされたワークショップは、さまざまな立場から多くの切り口を出し合い、重ねることで新たな発見があることを体験するものとなり、大いに盛り上がりました。イベント終了後には会場の隅々で名刺交換や談笑をする光景がみられ、参加者のみなさんにとっても有意義な時間となったようです。

参加者のみなさんと

今後も賛同企業と共に、具体像の可視化に向けた活動を行っていきます。